健康な腸と幸せな脳1 -エムラン・メイヤー博士のインタビュー
UCLA教授
腸脳相関分野の権威
★腸の健康状態を改善するにはどのような段階を踏んでいくとよいのでしょうか。
私たち自身だけでなく、微生物にとっても最適かつ最良の栄養が必要です。
微生物は私たちと密接な関係を持っていると考えられるからです。
2つ目に私が同様に重要だと思っていることは、
脳と腸の間に強い結びつきがあることはすでに知られていますが、
否定的な感情は腸と腸内細菌によくない影響を与えるということです。
否定的感情を最小限にして肯定的感情を持つことです。
3つ目はここで実践したこと、つまり外部から刺激を与えることです。
指圧療法やへそヒーリング、腹式呼吸などがそれで、腸に同じような効果を与えます。
このように腸を健康にするには様々な方法があるのです。
全体観的に見ると、一つのことがすべてを行うのではなく、
複数のことが関連しあって効果が出るものなのです。
★へそヒーリングは腸の健康に役立つと思いますか?
へそを刺激するヒーリング法のデモンストレーションは実に興味深かったです。
へそヒーリングで脳波と体温が変わる実例を見ました。
私自身の経験でも、明らかに体が温かくなります。
個人的に言うと、いくつかのことが合わさって効果が出ます。
ひとつには体のとても大切な一部分に集中するということ、
瞑想的な方法、つまり重要な部分に集中することです。
2つ目には、鍼や指圧が神経や腸の流れに影響を与えるのと同様の効果がへそヒーリングにあり、
実際に脳にまで信号が伝達されることです。
腸内で起こっている主な効果は腸の神経系統が刺激される点にあります。
腸管神経系は脳あるいは迷走神経とつながっています。
効果を生み出す可能性はたくさんあります。
個人的にはへそヒーリングは非常に興味深いアプローチだと思います。
体の特定の場所に意識を置くこと、呼吸法、呼吸法とツールによる外部からの刺激のコンビネーション、
その相互作用がとても強力だと思われます。
へそヒーリングの効果を科学的に説明するのはとても興味深く魅力的です。
★新刊『THE Mind-Gut CONNECTION(心と腸はつながっている)』からどんなことが学べますか?
実践的な観点からいうと、食べ物に気をつけること、自分の食べるものがどのように作られているのか、
体内に入るとどうなるのかを気にすることです。
このようなことはころころと変わることではありません。
数年おきに新しいダイエット本が出ていろいろなことを奨励しますが、食のことは昔ながらの原理です。
何万年もかけて進化してきたことであり、微生物も考えれば何億年もの話です。
ですから食生活をしょっちゅう変える必要はないのです。
私たちは真実がシンプルだとわかる必要があると思います。
そのことに気づくこと、集中すること、脳と腸の相互作用を穏やかにしてバランスを保つことが大切です。
他に脳にいいこと、たとえば運動をすることも大切です。
また本には書きませんでしたが、刺激というのは受動的なマッサージや指圧もありますが、
さまざまな方法のひとつとしてヒーリングライフを使って肯定的な信号を脳に送るのもよいことです。
人に奨励するのは簡単ですが、その仕組みを本当に理解しなければ人はなかなか実行しないものですね。
みなさんが実行できるようにこの本を書きました。